朝、大学の授業の準備をしながらネットを見ていたら、樫本大進がベルリン・フィルのコンサート・マスターに内定したという素晴らしいニュースが報じられていた。
私は、一部の指揮者を除けば、特定の演奏家をあまり追いかけない方だけれど、樫本大進は、ここ数年、音だけでなく音楽があると思っていたし、また、舞台上での振る舞いを見ていて、他の日本人の音楽家にはなかなかない風格を感じていた。それは、けっして見た目の良し悪しと言った浅いレベルのものではなく、音楽を掘り下げてしっかり勉強している人が自然と発するオーラのようなものだと私なりに捉えていた。具体的には、協奏曲の舞台で、オーケストラのスコアをよく勉強していると感じることが多かった。東響とのベートーヴェンや東京フィルとのチャイコフスキーなどなど。
これまでソリストとして活動して来た樫本大進だけれど、きっと彼なら勉強して、コンサート・マスターとしてもいい仕事をしてくれるだろう。本当に楽しみだ。日本人の音楽家は、早くから才能を発揮する割には30代後半や40代でなかなか伸びない人が多いけれど、樫本大進は、ヴァイオリニストとしての自分に新たな課題を課しているのに違いない。蛇足だが、ベルリン・フィルの日本公演のチケットがますます手に入らなくなってしまうことだけが心配だ。


「樫本さんは今後約1年、試用期間として同フィルでコンサートマスターを務め、団員の3分の2以上の賛成を得てから完全な契約を結ぶことになる。」
とのことで、「内定」という語を用いていますので、「最終選考」よりは先の段階まで行っていると判断しました。