2009年06月21日

出光美術館「やまと絵の譜」展@

6月21日(日)
 今週は、C大高校の生徒の漢字テストをしなかったから、日曜の朝も採点の仕事をせず、完全にオフ。横浜みなとみらいホールでの読売日響を聴く前に出光美術館に立ち寄る。開催中の「やまと絵の譜」展は、展示されている作品数は30点あまりだが、見応えはずっしり。小1時間では全然見切れず、会期中できるだけ小まめに通おうと思った。
 菱川師宣、岩佐又兵衛など、期待を裏切らない名品揃い。加えて、筆者不詳の「江戸名所図屏風」が、美術品としても風俗史料としても一級品の面白さで、見入ってしまった。この「江戸名所図屏風」には、新吉原に移転する前の元吉原の情景や女歌舞伎、浄瑠璃、軽業の舞台が描かれている。歌舞伎芝居が興行されているのは木挽町で、現在も歌舞伎座があるあたり。絵の中の風景と自分自身が木挽町に時々足を運んでいる体験とが重なると、歌舞伎の歴史は古いという実感になる。神田明神では神楽が行われていて、笛と太鼓の囃子方も描かれている。浅草寺は、仲見世通りがないが、門には現在の雷門に通じる風情が感じられた。解説によれば、この屏風には総勢2000人以上が描かれているのだそうだ(とても自分で数えようとは思わない)が、この八曲一双をじっと見ているだけでも、江戸の昔にタイムスリップが出来る。
 岩佐又兵衛の「野々宮図」は、鳥居にたたずむ光源氏の脇に描かれた女童(めのわらわ)が妙に小さくて、光源氏へのスポットの当て方が独特という印象を受けた。ここのところ、遠近法について講ずる機会があって、遠近法を採用していないという点では共通でも、ヨーロッパ絵画と日本の絵画では視点への感性が違うことが強く意識されるからだろうか。
 英一蝶「凧揚げ図」の奴凧の絵柄がかわいい。この絵の絵葉書がないのは残念。また、「桜花紅葉図」も、桜や紅葉の木に結ばれた、上質の料紙を用いた短冊の紙質など、現実には成立しにくい図柄ながらも、質感の豊かな絵に仕上がっている。
 この続きは、再度見に行ってから、書くことにしよう。
posted by 英楽館主 at 22:18| 東京 曇り| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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