東京交響楽団第570回定期演奏会
指揮:秋山和慶 ピアノ:小山実稚恵
シューマン:ピアノ協奏曲イ短調
ラフマニノフ:交響曲第2番ホ短調
前半は小山実稚恵をソリストに迎えてのシューマンのピアノ協奏曲。小山にとっては弾き慣れた1曲だと思うが、この日は第1楽章の前半に小さなミスがいくつかあり、小山がなかなか自分のリズムに乗れずにいたようだった。だが、指揮の秋山和慶はソリストを丁寧にサポート。第1楽章の後半以降は、いい流れの演奏だった。
秋山和慶の協奏曲の指揮が上手いという定評は以前からあるが、今回もそれを実感した。聴きながら、この1年余りに聴いた他の協奏曲の演奏まで思い出し、例えば昨年の10月のN響定期でアンスネスが弾いたラフマニノフも、こういう指揮者との共演だったらもっと良かったのになどと余計なことまで考えてしまった。その人の「良さ」がさりげなく出るという意味で、秋山の場合には、協奏曲の入ったプログラムがいいと思う。
さて、後半はラフマニノフの交響曲第2番。全体的によくまとまった演奏だと思うが、長い全曲の中で、この部分が特にすばらしかった、印象に残ったという箇所がないのがちょっと残念なところだ。それは、音色の明暗のコントラストに乏しいからかもしれない。第4楽章は、2拍子の2拍目が常に早め、もしくは浅めで、音楽が流れている反面で、ちょっと上滑り気味だった。今ではすっかりレパートリーに定着した名曲だから、「なぜ今この曲を?」という意味で納得させてくれるようなよほど作品を掘り下げた演奏を期待するのは、期待が大き過ぎるのであろうか?

