指揮:ミハイル・プレトニヨフ チェロ:趙静
ラフマニノフ:交響詩『死の島』
チャイコフスキー:ロココ風の主題による変奏曲
同:『マンフレッド』交響曲
ラフマニノフを2日続けて聴くことになったが、交響詩『死の島』は、地味だけれど深い魅力のある作品。レーガーも同じベックリンの絵を題材に「音詩」を書いている。交響曲と違って、メロディーにあふれていないところが、この曲を取っ付きにくくしているのだろうけれど、その一因は、絵に描かれた「島」が人を寄せ付けない、取っ付きにくい島だということにもあるのではなかろうか。プレトニヨフと東京フィルは、淡々と演奏しているように見えるが、音色には昨日の東響には聴こえなかった深みがある。私自身、この曲はスコアを見ていないし、「こういう曲だ」という核心がまだ掴めていないが、生の音に触れたことは自分にとって一歩前進、収穫だった。
2曲目の『ロココ風の主題による変奏曲』は、独奏の趙にも、プレトニヨフ&東京フィルにも旋律の歌わせ方に悪趣味なところがなく、素直な直球勝負に好感が持てた。趙のチェロは、ハイ・ポジションの箇所でもう一歩安定感が増すと、もっと表現力がついて来ると感じた。他の作品も聴いてみたいが、バッハのアンコールを聴きながら、リサイタルよりは協奏曲を聴きたいソリストという印象を抱いた。
後半の『マンフレッド』交響曲は、何度聴いても私には魅力が実感できない作品。チャイコフスキーは、なんでそこまでバイロンに惚れ込んだのだろうか。演奏のせいではなく作品自体の問題点として、主題が、どうも表面的にしか鳴らないような気がしてならない。とは言え、好きな曲以外の作品を聴く機会が出来るのが定期会員の「役得」だと思ってこの日も聴いた。もう1つ、機会を探して『マンフレッド』を読んで見るべきなのだろうけれど、今はその時間が取れそうにない。東京フィルは、弦楽器だけでなく管楽器も充実。気がついてみると、管は近年、合併後に入団したメンバーが中核になっている。

