2010年02月11日

1月のN響B定期

 「ちかしオーケストラ」のことを書いたついでに、広上淳一についてもう1つ書いておこう。

1月20日(水) 19時 サントリーホール
広上淳一指揮 NHK交響楽団
ヴァイオリン独奏:堀米ゆず子

武満徹:3つの映画音楽(1995)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 Op.61
プロコフィエフ:交響曲第7番嬰ハ短調 Op.131

 武満徹の「3つの映画音楽」は、久しぶりに生で聴いた。私のいい加減な記憶だから、飛んでいる可能性もないわけではないが、確実なのは、オペラシティのコンサートホールが出来たばかりの頃に、ユーリ・バシュメット指揮のモスクワ・ソロイスツで聴いているということだ。小編成のモスクワ・ソロイスツと大編成のN響、早めのテンポとボウイングで曲を進めたバシュメットとたっぷり歌わせようとした広上の個性の違い、両者が相まって、驚くほど印象が違った。個人的にはバシュメットのやり方の方が好きだが、当初は限られた時間と予算のために書かれた作品を、大編成のオーケストラの定期演奏会でしっかり練習をして舞台に載せれば、普段とは違った面も見えて来る。特に第3曲「ワルツ」では、「武満にこんなにメランコリックな音楽があったのか!」という発見があった。
 2曲目はベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲。ドイツのヴァイオリニスト、ヴィヴィアン・ハーグナーの来日がキャンセルになり、堀米ゆず子が急な代役で弾いたが、丁寧な独奏で、聴き応えのある正攻法のベートーヴェンだった。特に第2楽章は、広上が大部分を2拍子を分割せずに1小節2拍で振り通して、N響から柔らかな音色とゆったりとした流れとを引き出して、心地よい(けっして「眠たかった」という意味ではありませんよ!)時間の流れだった。
 後半のプロコフィエフの交響曲第7番は、昨夏に日本フィルとのメンデルスゾーンを聴いた時ほどではないが、広上が鼻息や唸り声が少し気になった。思うに、彼の鼻息や声が気になる時は、オーケストラの棒に対する反応が今一つの時なのではなかろうか。昨年度から今年度にかけてプロコフィエフの第7番を聴く機会が多いが、N響Bプロの私の会員席はPブロックなので、ラザレフ&日本フィルを正面から聴いた時に感じた音の立体感は、残念ながら比較のしようがない。N響も悪くはないと思うけれど、「もう少し多彩な音色が出せないのかな?金管に音色が出て来ない限り、それは望むべくもないのかな?」などと感じながら聴いた。フィナーレは改訂版での演奏。晩年のプロコフィエフの憂鬱な気分が消し飛んでしまうので、私はこの改訂版をあまり評価しない。
posted by 英楽館主 at 12:15| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | コンサートつれづれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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